漫画評論の館

     マンガの評論や評価、新連載の批評、名言・名場面の紹介やイラストなど、マンガのことだけ詰め込みました。     「面白いマンガが読みたい!」そんなあなたの欲求を満たす道しるべになれば幸いです。

うんこの缶詰工場

3年くらい前の話。
僕は生まれて始めて漫画雑誌の読者アンケートのハガキを見た。
雑誌は講談社のモーニング。
ちょうど今も連載中の「はるか17」が新連載で巻頭カラーだった。

そのアンケートハガキに大体こんな質問が書かれていた。



Q1新連載「はるか17」は面白かったですか?

A・面白かった
B・どちらでもない
C・面白くなかった




これはまだ解かるよ。
でも、その次の質問が酷かった。



Q2新連載「はるか17」は今後どのような展開を望みますか?

A・はるかがアイドルとして芸能界を上り詰めていく展開。
B・芸能界の裏話などをふんだんに織り交ぜた展開。
C・はるかが男性アイドルと恋に落ちる展開。




昔の記憶なんではっきりとは覚えてないけど、だいたいこんな質問だった。

生まれて始めて自分の目を疑った。
・・・読者アンケートってこういうモンだったの?

めちゃくちゃ失望したのをよく覚えている。



ユーザーが求めるものを提供するのがプロの仕事かもしれない。
しかし僕は、漫画はエンターテイメントでありながらも、文学であり、芸術だとさえ思っている。

ピカソがみんなの意見を集めて分析して「ゲルニカ」を描いただろうか?
漱石が、読者の意見を集めて分析した結果「こころ」が完成したのだろうか?

優れた作品というのは、作者が考えて考えて苦悩した末にやっと生まれるものだと思う。

アンケートの結果を分析して、より読者が望む物語を書いたところで、それは決して名作にはなりえないし、なにしろ作家に失礼だ。

出版社にとって漫画は商品。
当然、漫画はお金儲けの道具なんだろうけど、それ以外の価値は漫画にはないと出版社は考えているんだろうか?



土田世紀の漫画「編集王」に、事細かに描いてあった出版社・漫画雑誌の編集部の実態というものは、悲しいけれど事実みたいだ。