漫画評論の館

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スポーツ漫画・人気連載漫画の常識を覆した一言 (タッチ・あだち充)

綺麗に終わった漫画って少ない。
人気がある作品なんかは、特にである。
たとえば、

「軍鶏」
「BECK」
「北斗の拳」
「ドラゴンボール」 など・・・

軍鶏は菅原戦で終わるべきだったと思う。
BECKはもちろんグレイトフル・サウンドで。
北斗の拳もラオウの死が明らかにラストであり、終幕だった。
ドラゴンボールなんかは、完全にマンネリ化していってしまった。

作者の意思なのか、編集の意思なのかは解からないけど、物語が途中で終わるべきだった名作達。

出版社としては、人気のある漫画は金の成る木。
ビジネスとして考えたら、作品のクオリティーが落ちても、出来るだけ長く続けてほしいんだと思う。
漫画家としても、ヒット作を描き続けることで、安定した継続的な高収入が見込める。
よってダラダラと連載は続き、残りカスが誌面に掲載し続けられる。



そんな漫画が多い中、最も綺麗に連載が終了したと思う作品のひとつが、あだち充の「タッチ」
リアルタイムで読んでいたわけじゃないので、連載当時の詳しいことは解からないが、そうとう人気のあった漫画だったと思う。

そんな人気漫画は、甲子園での戦いがまったく描かれることなく終了した。
タッチの本筋は南の恋愛、和也との絆であり、新田との勝負だった。



最終回、ライバルの新田と町でばったり出会う達也。
その時の会話で、新田は言う。

「ま、そのうちまた・・・どこかのグランドで会うこともあるだろう。」

それに対して達也はこう返す。

「もういいよ、疲れるから」



再戦を否定。
人気連載漫画の常識を覆してくれた。(最終話でだけど)
スポーツマンとしてあるまじき言動なんだけど、読んでいてとても気持ちが良かった。
あだち充の、長期連載に対する皮肉もあったのかもしれない。

野球漫画であるタッチの最終巻(26巻)では、一度も野球の試合のシーンは登場しない。
タッチにおける「野球」は新田を三振にとった瞬間に終わったのだ。

そして物語はラストに向けてゆっくり、ゆっくりと進行していく。
このゆったりとしたスピード感とても好き。
そして、僕が予想したとおりなのに、僕を泣かせたラスト。

とても綺麗な形で物語は終焉したと思う。
まったく過不足の無い作品だった。





そして・・・
その後、達也・南のその後を描いたアニメが2度ほど放送される。

・・・なんでやねん!!(怒)


  

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