海街diary〜蝉時雨のやむ頃〜 (吉田秋生)

作品名 : 海街ダイアリー〜蝉時雨のやむ頃〜
作 者 : 吉田秋生(よしだあきみ)
単行本 : 連載中(既刊1巻)
掲載誌 : 月刊flowers(小学館)
吉田秋生の新作。
鎌倉に住む3姉妹(途中から4姉妹)が綴る連作。
第1巻には
・蝉時雨のやむ頃
・佐助の狐
・二階堂の鬼
の3篇が収録。
一番好きな漫画家は?
と聞かれたら迷う。
ただし、一番好きな少女漫画家は?
と聞かれたら即答だ!
「吉田秋生」
ロケーションは鎌倉。
ラヴァーズキス(同じく吉田秋生の漫画)と同じ舞台。
読後の感想として、まず思ったのがキャラクターの強さ(戦闘能力のことじゃないよ)。
他の作品よりもさらにキャラが立ってる印象をうけました。
個人的には三女のチカがとても好き。
ちなみにキャラクターで言うと、ラヴァーズキスの藤井朋章が出てくる。
なんか素直で超いい子になってます。
夜叉(イヴの眠り)とバナナフィッシュもキャラクターがリンクしてる部分があったように、吉田秋生は自分の描くすべての物語は同じ世界の出来事だと捉えてるのかもしれません。
絵に関しては、コメディー的な表現が多用されていて、ちょっと印象が違った。
吉田秋生の昔の作品と比べたら丸くなって、読みやすくなったと思う。
でもシリアスなところもちゃんとあるところは変わらず。
背景は、機械的な背景(ビルとか)は相変わらずチープで定規で描きました感たっぷり。
だけど、自然の背景を描かせたら雰囲気があって上手い。
まぁ、背景って本人が描いてるのかは知らないけどね・・・
ストーリーで言うと、作者の吉田秋生の鋭すぎる観察力・洞察力ってのが、作品にバンバン落とし込まれている。
3篇収録されていて、それぞれ結構ハードな内容も描かれているんだけど、粘っこくなくてさっぱり読める。
そして3篇が3篇とも素敵で、実に高クオリティー!
小ネタのレベルも高く、ページの密度が濃い。
1冊読むのにかなり時間がかかったけれど、それは僕にとってはとても心地の良い時間でした。
名作です。
なかでも、物心がついた頃からは、おそらく人前では一度も涙を流したことがなかったであろう四女のすずが、昨日始めてあったばかりの姉妹の前で思わず号泣シーンは胸がギシギシ締め付けられた。
吉田秋生の漫画は目で見て、脳を介せず心臓へ向かう。
考える前に胸がやられてしまうのだ。
特にこのシーンは何の順序も踏まぬまま、いきなりガツンと来たのでなおさらだった。
他では、「佐助の狐」での朋章と佳乃の別れのシーンも印象的。
朋章は「佳乃さんから金を取ろうとしたんだ」と馬鹿正直に本当の事を打ち明ける。
もしかしたら別れるための口実にしただけなのかもしれない。
だけど、まだ佳乃の事が好きだったと僕は思ってる。
佳乃も朋章のことが好きだった。
お互い愛し合ったまま別れた。
こんな別れ方なかなか出来るもんじゃない。
漫画では「男女の別れ」が描かれる事も多いですが、このシーンは漫画史に残る別れのシーンになる思う。
吉田秋生・海街ダイアリー。
まだ連載中なのでなんともいえませんが、僕の「海街ダイアリー」の評価が「河よりも長くゆるやかに」を超える日も近いかもしれない。(ただしバナナフィッシュは別格!)
絵の味 : 5点
キャラクター : 8点
ストーリー : 8点
総合 : 69点
※各10点満点、総合評価のみ100点満点 ちょっと不思議な下宿人
悪魔と姫ぎみ
カリフォルニア物語
夢みる頃をすぎても
夢の園
十三夜荘奇談
吉祥天女
河よりも長くゆるやかに
Bobby's Girl
櫻の園
BANANA FISH
無敵のライセンス
ハナコ月記
PRIVATE OPINION
ラヴァーズ・キス
YASHA-夜叉-
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